「カズヒロさん、お疲れ様です。 ありがとうございました」
私の改造を担当してくれた、技術捜査部の天才技術官、カズヒロさんに頭を下げる。
「あの、気分はもう大丈夫ですか?」
おずおずとカズヒロさんが尋ねてくる。
「もう大丈夫です。 それに、出来るだけガジェットと同じ身体にしてください、って頼んだのは私ですから」
台から降り、ゆっくりと歩いてみる。
(あ、なつかしい。 この感覚…)
身体が軽い。 複数のセンサーから、周囲の情報が脳に流れ込んでくる。
これなら昔のように屋根から屋根へ飛び移ったり、厳重な警備をすり抜けたり出来るに違いない。
でも、もう一つ大事なのは…
「ところでカズヒロさん、“あの”パーツは付けてくれました?」
「…っ! と…それは、はい、確かに」
頷くカズヒロさんの顔が、一瞬で真っ赤に染まった。
「ちょうど良かったわ。 カズヒロ技術官」
警部さんが私のそばを離れて、ずいとカズヒロさんの前に立ちはだかった。
「は、はい」
「今話してた“あの”パーツの事だけど。 それを私に無断で取り付けた件、まだ説明してもらってないわね」
「いえ、それは、その…」
「今まで色々と忙しくて、うやむやになってたけど、今日こそ説明してもらうわ」
カズヒロさんが壁際に追い詰められていく。
年上の男性を後じさりさせるなんて、やっぱり警部さんは迫力が違う。 というか、
カズヒロさんが弱気なだけかも。