「あ、警部! お待ちしてました」
廊下に出ると、部下の刑事がなにやら興奮した様子で走り寄ってきた。
「どうしたの、何か進展があったの」
「はい、重要な報告が二点。一つは一連の石板についてです」
差し出された報告書を受け取る。
「ヤツの集めている石板は、超古代文明の遺物と言われているそうです」
「超、古代文明…?」
「なんでも、先史時代に現代をも凌駕するテクノロジーで世界中を支配していた、とか。
それでですね…あの石板にはその文明が生まれてから繁栄を極めるまでの物語が綴られているんだそうです。
例えば、一枚目は“狩りをする者”二枚目は“耕す者”そして、文明が発展してくると“商う者”…」
「ストップ。要点だけ話してくれる?」
「あ、はい。結論を言いますと、あの一連の石板は全部で十二枚存在するんだそうです」
「十二枚!? じゃあ、前回が十一回目の犯行だから」
「そうです。残る一枚、“覇王”の石板で最後です」
つまり、おそらく次がアイツの最後の犯行になる。
アイツは自分のことを「道具」だと言った。用済みになった道具にはどんな運命が待っているのだろうか。
「で、警部、もう一つの報告ですが…」
部下が封筒を手渡す。
「ヤツからの予告状が届きました。狙いは覇王の石板だそうです」