廃棄されていた少女、ミズサワ・ユカリさんが意識を取り戻した事で、事件は一気に解決に向かうと思われた。
ところが、ユカリさんは、全身の激痛でほとんど証言が出来ない状態だった。
「その原因は、金属部と生体部のサイズ不一致と分かりました」
カズヒロさんがホワイトボードを前に解説している。
「私のサイボーグ技術では、脳以外を全て機械に置き換えてしまいますが、あの女の技術では、補助的な
動力源として、全身の要所要所に人間としての筋肉を利用しています。
つまり、体内に主動力源や機械類、体表に金属外骨格、その間に筋肉がサンドイッチされた構造なんですが…
これらのサイズが不一致なために、全身の筋肉が金属パーツに圧迫され、痛みの原因になっているのです」
「う…わ…」
身体の中に埋め込まれた機械の突起が筋肉に内側から食い込み、外からは金属の殻がその筋肉を内側へと
締め付ける。
(あの女に改造された私も、一歩間違えればそうなっていたのだろうか)
想像するだけでぞっとしてしまう。
「カズヒロ技術官、なぜその手違いが生じたか、分かる?」
警部さんが勤めて冷静に質問する。
「おそらく人違いかと、思われます。 本来改造されるはずだった少女の身体に合わせてパーツを製造したものの、
手術するときに、間違えてユカリさんにそのパーツを埋め込んでしまった、という事かと…」
「そんな…」
理不尽だ、人違いなんて。 そんなの、拉致されて無理矢理 改造されてしまった私と何も違わない。